top of page

「今の事業、これからに不安を感じたら」について

企業も人と同じ。新陳代謝を活発にして、いつも活き活きとした状態でなければ健康を維持できません。すなわち、企業を永続するには、変わり続けることが絶対条件なのです。なにも、難しいことをする必要はありません。今より、一歩前に行くこと、例えば、売るためのうたい文句を変えたり、売る棚を変えてみたり、ホームページのデザインを変えてみたり、このような小さい変更の積み重ねが大きな体質改善につながります。

人間とロボットの友情

 わたしは長年、新商品開発や新顧客開拓に従事してきました。これらは簡単なことではありません。うまく行かないことも多々あり、やり続けることは時にはストレスにすらなります。しかし、同じ製品やサービスが永続する事があるでしょうか? 例えば、最近、50年近く愛されてきたチョコレート菓子を廃盤とする発表がありました。なぜ、廃盤にするのか? それは、スマホ時代になり、手が汚れる商品は、スマホ画面を汚すからだそうです。製品の変遷の例はこれだけではありません。家電や自動車、PCなど、みんな40年まえとは違う機能・デザインです。時代の変化に合わせなければ、40年前どんなに斬新なものでも色あせてしまいます。車もEVや水素など、新たな動力源に生まれ変わろうとしています。

 新たなこととは、なにも革命を起こすばかりではありません。もちろん、革命を起こし、空飛ぶ自動車やドローンを使った新サービス、DXを利用した革命的なサービスも素晴らしい。しかし、新たなことにはもう一つあります。それは日々の絶え間ない努力です。プロセスを改善して生産性を上げたり、製品のデザインを変更したり、機能を付加したり、販売方法を変えたり、広告方法を変えたり・・・ この何か、新しいことをする事こそが重要です。新たな動きをする事で、考え方に新陳代謝が起こり、そして、考え方に新陳代謝が起こると、行動が変わり、行動が変わると結果が変わります。最近、テレビCM(大手自動車メーカー)で良く聞きますね。「今できる事を、今やる」 これがゆくゆくは結果を変えるんですね。

 「今できる事を、今やる」これが全ての一歩なのです。この一歩が踏み出せない方がとても多いのが実情です。このまま今の事業を続けていたら・・・、このまま今の製品だけ売っていたら・・・、 このまま今の客だけに販売していたら・・・、この「・・・」が、「行き詰る」であったら、そして、何も行動を起こさなければ、「座して死を待つ」となりかねません。これがいわゆる経済学でいう「ゆでガエル」現象ですね。水がだんだん温まり、やがて沸騰してカエルはゆでられ、帰らぬ「カエル」になります。カエルにとって、未だ水が温かいうちにできる事をやれば、つまり、「鍋から出る」ことをしていれば、「帰らぬカエル」にはなりません。つまり、「今できることを、今やる」は、早く行えば行うほど、高い効果が得られます。

​ スタートが遅くなればなるほど、生き延びるための難易度は高くなります。例えば、お湯が50℃を超えだすと、カエルの皮膚に損傷が出始め、鍋から出るための運動能力が低下してしまうというった感じです。企業で言うと、人がいなくなり、お金が底をつく、ともう水の温度は大分高くなっていますね。こうなると、「何をしていいのか分からない」、「お金がないから何もできない」といった嘆きになります。こうなると、精緻な戦略と計画、行動が伴わなければ、生還は難しいでしょう。

 したがって、今、自問してほしいのです。「今の事業は、これから継続できるのか」、「いつころまで継続しそうか」、「自社は継続的改善・改革を実行しているだろうか」、「できない、が口癖になっていないだろうか」。今できる事を、今やる、これは、今の事業がまだ、元気なうちの方が良いに決まっているのです。

 これらを理解し、早めに何か手を打ち、実行したが、うまく行かなかった事もあると思います。特に今の事業が数十年も稼ぎ頭となってきた企業は、新たなことのやり方の経験がありません。従って、1つ目の成功事例を得ることが、とても重要になります。この1つの事例で自走できる企業もあります。2コ~5コの新事業立ち上げ経験を得て、初めて自走できる企業もあります。これは企業によってまちまちです。早く自走できれば、その分、専門家との二人三脚期間が短くなるので、効率的と言えますが、この期間は短ければ良いというわけではありません。どれだけ、自社のDNAに植えつけられるか、これが重要です。

 企業にとって、「強い事業を継続的に生み出す」、「新たな顧客を、マーケットを産み出し続ける」、これ以上に重要なことはありません。このDNAを得るには、厳しい状況になる前に専門家の伴走支援で取り組むことも重要なのです。これ以上重要なことはない、と言っても過言ではありません。これが「今の事業、こらからに不安を感じたら」の言葉に込めた意味なのです。少しでも早く取り組めば、退院は早くなります。そうすると、医師は他の患者に当たることができる、患者の寛解の確立も高まる、このような循環を日本に取り戻したいと願っています。

bottom of page